この報道を皮切りに様々な腸活ブームが巻き起こっています。

腸内環境が悪化すると様々な病に関係してくることは間違いないと思います。
しかし、NHKスペシャル放映の後、
民放TV番組や雑誌などでの腸内フローラの番組、特集では
皆さんに誤解を与えるような、
もしくは消費者をあざむくような嘘の内容が氾濫しています。
腸は体の根本です。木でいえば根っこのようなもの。
腸が老け込んでしまうと根腐れした木のように不健康な体になってしまいます。
とても大事なことだからこそ
NHKスペシャルで報道された内容をわかりやすく丁寧に解説していきたいと思います。
まず、一番にお伝えしたいこと。
それは乳酸菌、ビフィズス菌など菌そのものには
なんの栄養素もないということです。
考えてみれば当たり前のこと、ただの菌なのですから。
NHKスペシャルで報道された画期的な内容はまさにそこで
善玉菌そのものではなく、
乳酸菌・ビフィズス菌などの腸内の善玉菌が生成した「短鎖脂肪酸」にその秘密があると報道したことです。
こちらがその映像の一部です。
自分の腸内に住んでいる善玉菌が
生成(代謝)して出来る物質(学術名:乳酸菌生産物質)
それが短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)なのです。

この短鎖脂肪酸はこの番組では、「肥満」、「糖尿病」や「がん」の治療に期待されていると
報道されています。
その根拠に関しては非常に画期的な成分であることが分かったので
今後、詳しく説明していきたいと思います。
ちなみにですが、短鎖脂肪酸とは具体的に言うと
酪酸、乳酸、プロビオン酸、酢酸、吉草酸などです。
これらの物質は腸内の善玉菌が食物繊維や糖類を食べて
生成する物質です。

そして、これは残念なことですが、短鎖脂肪酸は
自然界の食物には含まれない成分です。
短鎖脂肪酸は腸内細菌による発酵生成により生み出される物質なのです。
<乳酸菌が生きて腸まで届いても意味がない真実>
残念ながら、一般で市販されている乳酸菌が入っているサプリメント、
これらには全く短鎖脂肪酸が入っていません。
乳酸菌の数が何億個入っている!とか、腸まで生きて届く!とか
乳酸菌の数や腸まで届くことをセールストークにしていますが
実は効果はあまり期待できないのです。
自分の腸内細菌というのは、親兄弟でも違った種類の細菌が棲みついています。
その種類は100~200種類と言われています。

(パパイヤ鈴木さんの腸内細菌。皆さんにも、たくさんの
細菌が腸内に棲みついていますが、親兄弟でもまったく種類は違います)
しかも、その腸内細菌は赤ちゃんの頃に固定され、その後に腸内に入ってきた
細菌は敵とみなし、排出されます。
これは自浄作用であり、他の細菌から自分の体を守ってくれる大事な作用なのです。
ですから、いくら体にいい乳酸菌だといっても、そして仮に胃酸で死なずに腸内に入ったとしても
結局は自分の腸内細菌には、敵とみなされて排出されてしまいます。
しかも、乳酸菌サプリメントに入っている菌種はせいぜい多くて5種類くらい。
これでは少なすぎます。
人間の腸内には全体の20%程度である、30~40種類くらいの善玉菌が棲みついています。
たった数種類の乳酸菌では、すぐに排出されて効果はのぞめないのです。
このあたりの詳しい内容はNHKスペシャル取材陣が出版した書籍にも詳しく説明されています。
この書籍は非常にわかりやすく丁寧に腸内フローラのことが書かれています。
<やせる!若返る!病気を防ぐ!腸内フローラ10の真実>

<ヨーグルトもおすすめできない、これだけの理由>
ヨーグルトに含まれる乳酸菌のほとんどは、食べても胃酸で死滅しますが
腸内でその死滅した菌は善玉菌のエサとなります。
ですので、効率は非常に悪いですが多少の整腸作用はあります。
ただ、私は乳脂肪分が気になります。それはカロリーだけの問題ではありません。
乳脂肪は悪玉菌のエサになり、発がん性物質を生成します。
癌で手術をされた経験がある人にはヨーグルトは絶対におすすめできません。
このあたりは、TVではなかなか報道できません。ヨーグルトを販売している大企業
(CMスポンサー)からの圧力がある以上、真実はなかなか知りえないからです。
<どうやって腸内環境を改善したらいいのか?>
ここでは結論から書きたいと思います。
1)善玉菌のエサをバランスよく食べること
具体的には、豆乳、豆腐、味噌汁などの大豆類。
キャベツなどの野菜そしてキノコ類。
はちみつなどのオリゴ糖類、じゃがいもなどの根菜類、
最後にワカメなどの海藻類(ただし、甲状腺などに疾患のある方は注意)です。
私の研究では、上記の中でも善玉菌の最強のエサは豆乳などの大豆製品だと
考えています。
2)短鎖脂肪酸を直接接種する
具体的には乳酸菌発酵エキスというものです。
これはネットなどで購入が可能ですのでいろいろ探してみてください。
実は日本では、この乳酸菌発酵エキス(乳酸菌生産物質とも呼ばれる)の
研究は100年以上の実績があり、まさにこの分野では世界一で海外にも輸出されています。
海外ではバイオジェニックスと呼ばれ非常に注目されています。
腸内細菌や乳酸菌発酵エキスの第一任者は東大名誉教授 光岡 知足 氏 です。
私の調べたところですと、16種35株で人間由来の善玉菌を使って
培養されて生成されたものが世界一のようです。
この乳酸菌発酵エキスに関しては改めて、その効果を検証していきたいと思います。
3)ストレスをコントロールする
ストレスコントロールは腸にとって、実はとても大事なことなのです。
腸には多くの毛細血管や神経が集中しており、特に神経は脳と直結しています。
ストレスが溜まると、脳はこれ以上、苦しいと感じるのをやめさせるために
体の機能を大きく落とすことがわかってきています。
少し信じられない話ですが、脳に強いストレスが負荷されると、脳が体の一部に強い痛みを生じさせることで
脳へのストレスを回避させている(あえて体に痛みを生じさせて、脳を悩ませない)という研究論文があるくらいです。
ですから、強いストレスや緊張で、胃腸や腰が痛くなるという現象もその一例であることが指摘されています。
私のストレスコントロール法を紹介します。
夜寝る前やお風呂の中で、まずは忘れたいことや嫌なことを考えながらゆっくり息を吐きます。
そして、次にいいことを想像しながら息をゆっくり吸います。これをゆっくり何度も繰り返します。
それだけでもだいぶ変わってきますよ。お金もかかりませんしね。
4)適度な運動をする
これは、二つの理由があります。
1つは、運動することで脳の思考を止め、ストレスが発散されるからです。
これは3)で話したことを逆に利用する手です。
ストレスが溜まったら、楽しめるようなスポーツで、脳の思考(悩み)を一時的に止めるのです。
そして、当たり前ですが、運動することで血流が良くなり胃腸の動きも活発になります。
3)、4)は当たり前ですが、大事なことなのでご了承ください。
<それでは今回のブログのまとめです>
○一般的な乳酸菌サプリメントでは腸まで届いても、自分の腸内の菌ではないので
排出されてしまい効果が薄い。
○一般的な乳酸菌サプリメントではせいぜい菌種が5種類くらいで腸内フローラに
良い影響は与えるのが難しい
○ヨーグルトは乳脂肪があるため、腸内環境にいいとは言えない。
カロリーも高く、腸内環境を改善するには効率が悪い。
○腸内環境を改善する決め手は短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん)であることが
解明された。
○食事、運動、ストレスコントロールが大事
<今後、このブログで解説していきたい内容>
いろいろ考えていますが、以下のことを今後、このブログで解説していきたいと考えています。
・短鎖脂肪酸の効果
・乳酸菌発酵エキスの効果
・乳酸菌サプリやヨーグルトの嘘
・健康長寿をかなえる、世界最強の乳酸菌サプリは?
・腸内フローラを正しく理解する
・便秘薬の怖さ (キャンドルブッシュ、ゴールデンキャンドル、カッシアアラタに注意!)
・錠剤サプリメントの怖さ
・酵素ドリンクの嘘
・腸が炎症する理由
・腸の炎症により体中に広がる疾病
・腸内環境の改善に役立つレシピ(食事法)
・癌とは何か?
・大腸がん、乳がんの主原因は便秘と言われる理由
・なぜ、大腸がんが男女ともに1位となったのか?
・便移植とは?