2016年2月29日月曜日

NHKスペシャル 腸内フローラで解明された短鎖脂肪酸とは? その1

NHKスペシャル 腸内フローラ 解明!驚異の腸内細菌で

大変に話題となった 短鎖脂肪酸(たんさしぼうさん) という

一般の方には聞きなれない成分。


実は数十年以上前から世界中の多くの研究者の間で注目され研究されてきていました。


すこし番組を振り返ってみてみましょう。




↑ 番組オープニング





↑腸内細菌のイメージ 人間の腸内細菌の重さは約1.5kg 
数は1000兆個以上も存在しています。






↑白い丸い大きな物体が食物繊維や糖類など善玉菌のエサとなるもの。
まわりに様々な種類の善玉菌がばくばく、食べています。

そして、その周りにじゅわーーっと白い霧のようなものを吹きだしているように見えます。

これが、善玉菌が生成する「短鎖脂肪酸」です。


*正確に言うと、この生成物質は「乳酸菌生産物質、もしくは乳酸菌発酵エキス」といいます。


乳酸菌そのものではなく、乳酸菌が生成した物質に秘密があったことは、

これは画期的な事実です。





乳酸菌やビフィズス菌(これからは、総称して善玉菌と呼びます)が

生成する短鎖脂肪酸の効果として報道されたのが


・癌

・糖尿病

・アレルギー

・肥満防止


です。これは追って詳しく解説いたします。


ところで!



腸内環境が整っている大人の腸内細菌の善玉、悪玉、日和見の割合ってご存知ですか?

だいたい、善玉2割 悪玉1割 日和見7割と言われています。

日和見菌(ひよりみきん)とは悪玉でも善玉でも優勢な菌に変化できる菌です。






ちなみに赤ちゃんの善玉菌の割合ってご存知ですか?





なんと、赤ちゃんの腸内細菌は99%以上が善玉菌なのです。


短鎖脂肪酸は善玉菌群しか生成できない成分です。

ですから、赤ちゃんの腸内では「短鎖脂肪酸」が大量に生成されているのです


赤ちゃんのうんちって、酸っぱい臭いがしますよね?

あれが、短鎖脂肪酸の臭いです。


風邪知らずで、お肌ぷるっぷるの赤ちゃん。

あの赤ちゃんの元気で健康な秘密は腸内で大量に生成している短鎖脂肪酸にあったわけです。


でも、大人になると・・うんちが、すえた嫌な臭いになりますよね。

あれは、悪玉菌が生成する物質で、インドールやアンモニアなど発がん性物質を含んだ臭いなのです。

便秘が大敵と言われる理由はそれです。

悪玉菌が生成した発がん性物質が腸内の毛細血管から吸収され体全体にまわってしまうからです。

ちなみに、悪玉菌は肉や油などを好んで食べて繁殖します。
逆に言うと、悪玉菌がいないと肉や油を分解できないので必要な菌なのです。
大事なのはあくまでも細菌のバランスです。


さて、今回の内容をまとめます。


腸内環境を整える=健康と美容を手に入れるには短鎖脂肪酸が大事。

しかし、加齢とともに善玉菌が減少。

善玉菌の減少 →腸内で生成できる短鎖脂肪酸が減少する。

免疫や代謝、便通など健康な体質を維持するための短鎖脂肪酸が

加齢とともに減ってしまう →病気になりやすい体質、老ける



ここで、みなさん疑問に思いませんか?

加齢とともに減った善玉菌、短鎖脂肪酸・・

あきらめるしかないのでしょうか?


そんなことはありません。


次回はもう少し短鎖脂肪酸の効果と増やし方を解説していきたいと
思います。



<参照>短鎖脂肪酸 wikipedia
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9F%AD%E9%8E%96%E8%84%82%E8%82%AA%E9%85%B8